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評価・賃金制度の構築には「人事評価改善等助成コース」が活用できる!

◆人事評価制度の導入で国から最大130万円の助成金


「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)」とは、正社員を対象とした人事評価制度と、評価に基づいて賃金を決定する制度を併せて導入した会社が申請でき、平成29年度から導入されています。

①制度導入助成:50万円
まず、該当する制度(後述)を導入した時点で、50万円を申請できます。

②目標達成助成:80万円

その1年後に所定の3つの条件を満たせば、目標達成助成としてさらに80万円の助成金が申請できます。
目標達成の3条件としては、
①直近会計年度の「生産性」が、3年前と比較し6%以上アップしている
※生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+不動産賃貸料+租税公課)÷雇用保険被保険者数
②「離職率」が悪化していない
③制度導入により、対象正社員全員分の賃金総額が2%以上アップしている
の全てを満たす必要があります。

◆助成金名称は「人事評価」でも、最終的には「昇給」に結び付ける制度が必要です


「人事評価改善等」という名称ですので、何らかの人事評価シートを使って評価だけすればよい、と思われがちですが、この助成金の趣旨としては、「評価結果に基づいて昇給を行う制度を導入する」点に重きが置かれています。
もちろん、どんな人(どんな評価)であっても必ず昇給させなければならないわけではなく、「標準的な評価を得た人であれば、2%以上の昇給が保証されている制度でなければならない」とされています。
(例えば、月給250,000円の人が標準ランクの評価であれば、2%→5,000円の昇給となります。)

具体的には、どのような制度設計が必要なのでしょうか。

◆「評価シート」「賃金テーブル」「昇給テーブル」の3点セットが必要


「評価シート」については所定の様式があるわけではありませんが、客観的に業務能力が評価できるシートが必要です。
「賃金テーブル」については、階層別に昇給の対象となる賃金テーブル(金額の一覧表)を作成します。
「昇給テーブル」とは、人事評価結果をランク分けし、どのランクであればいくらの昇給額となるかを明示したものです。
これらを、現行の業務内容、賃金水準等を鑑み、実際に運用できる制度に仕上げなければなりません。

なお、これらの「制度導入」は、自社の「就業規則」「賃金規程」に記載する必要があります。会社が取り組む意義としては、この人材難の時代において、しっかりとした評価と昇給制度がある会社は従業員からの信頼が得られるという点があります。社員の育成と定着に真剣に取り組まれる会社は、適用を検討する価値が充分にあるでしょう。

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