給与計算を内製化するメリットとは?アウトソーシング(外注)と比べてコストが安くなる?

給与計算の業務を内製化することで社内のバックオフィス業務における人的リソースを有効活用できます。

この記事では給与計算を内製化するメリットを、アウトソーシングした場合と比較しながら紹介します。
給与計算に便利なクラウド型システムについて紹介するので、内製化する際に参考としてください。

給与計算の内製化には専門技術の継承や社内の人的資源を最適化できるといったメリットがあります。
内製化とアウトソーシングのメリットを比較しながら給与計算の内製化を選択肢として考えてみましょう。

<この記事で分かること>
・給与計算を内製化するメリットとは?
・給与計算をアウトソーシング(外注)するメリットとは?
・給与計算は内製化とアウトソーシングどちらを選ぶべき?

給与計算を内製化するメリットとは?

給与計算 内製化

社内の業務を外注せずに自社の人員で賄うことを「内製化」と言います。
外部のリソース(人的資源)に頼らず内部のリソースで給与計算を行うことにはさまざまなメリットがあります。

給与計算の業務は社内の機密情報が関わることも多く、不要な情報漏洩を避けるために給与計算を外注せず内製で済ませるという企業は多いです。
特に、中小企業など従業員数が少なく給与計算の業務量がそれほど多くない企業に給与計算の内製化が向いています。

給与計算を内製化するメリットは以下の通りです。

  • 技術・専門知識の継承
  • セキュリティリスクの軽減
  • 管理システムの統合
  • 工数の最適化
  • 意思疎通が取りやすくなる

技術・専門知識の継承

給与計算を内製化することで、給与計算に関する技術や専門知識を継承できます。

給与計算は社会保険や税金の計算など、専門的な知識を必要とする業務です。
そのため、社内に給与計算の専門的なノウハウを持っている人材が求められます。

給与計算の業務を外部のリソースに頼らず自社の従業員で行うことで、給与計算に必要な技術を継承できるのです。

セキュリティリスクの軽減

給与計算の業務では従業員の給与情報や個人情報を多く取り扱います。
そのため、給与計算の業務を外部に委託するとセキュリティリスクが生じてしまう恐れがあります。

給与計算を内部のリソースで完結することで、給与計算に関する情報を外部流出するセキュリティリスクを軽減できるのです。

管理システムの統合

給与に関する情報は人事や総務だけでなく、会計の損益にも関わるため経理にも関連する業務です。
そのため、給与計算の情報は管理部門で共有しなければなりません。

給与計算を内製化することで情報を共有でき、給与計算業務がスムーズになります。

コストの最適化

外部リソースを活用する場合と比べて、社内リソースで業務を賄えばコストの最適化が期待できます。

なお、業務を内製化する場合の給与計算にかかる費用は固定費として扱われますが、アウトソーシング費用は変動費として扱われます。

業務を内製化する場合の費用:人件費(固定費)
業務をアウトソーシングする場合の費用:外注費(変動費)

意思疎通が取りやすくなる

給与計算を内製化することでアウトソーシングする場合と比べて意思疎通が取りやすくなります。

業務をアウトソーシングする場合は社外の担当者と連絡を取らなければならないため、意思疎通が難しくなってしまいます。
業務の担当者が社内の人間である場合、業務に関する意思疎通を迅速にできるでしょう。

給与計算をアウトソーシングするメリット

給与計算 内製化

内製化の反対になる考え方がアウトソーシングです。
給与計算の業務を外部の専門業者に外注することをアウトソーシングと言います。

特に、大企業のように従業員の数が多く給与計算に関する業務量が膨大になる場合にアウトソーシングを選択する場合が多いです。

  • 専門ノウハウを活かせる
  • コア業務に専念できる
  • 属人化の解消
  • 繁忙期の人員確保

専門ノウハウを活かせる

外部のリソースを活用する大きなメリットとして専門ノウハウを活かせることが挙げられます。

給与計算業務のように専門的な知識を必要する場合、社員を教育するための研修費や教育費用がかかります。
アウトソーシングを採用することでこれらの教育費用をかけずに給与計算の業務が可能です。

属人化の解消

給与計算をアウトソーシングすることで属人化を解消できます。
属人化とは業務の担当者しか業務を知らない状態で、業務内容がブラックボックス化してしまう状態です。

業務をアウトソーシングするには業務内容を可視化する必要があるため、属人化を避けられます。

繁忙期の人員確保

給与計算の業務は月末や年末などに集中し、繁忙期には社内の人員を確保できない場合も多いです。

外部のリソースを活用することで、繁忙期の人員確保が容易になります。

給与計算は内製化かアウトソーシングどちらを選ぶべき?

給与計算 内製化

給与計算の業務を内製化するべきかアウトソーシング(外注)するべきか判断する場合はどのような点に注意すればいいでしょうか。

ここまでに紹介した給与計算に関する内製化のメリットとアウトソーシングのメリットを比較すると、以下のようになります。

給与計算を内製化給与計算をアウトソーシング
特徴技術・専門知識の継承
セキュリティリスクの軽減
管理システムの統合
工数の最適化
意思疎通が取りやすくなる
専門ノウハウを活かせる
コア業務に専念できる
属人化の解消
繁忙期の人員確保
向いている企業大企業中小企業

内製化を選ぶべきケース

給与計算の内製化は大企業に向いています。

大企業は給与計算にかかる人員を確保しやすく、アウトソーシングよりもコストを低く抑えられる傾向にあります。
また、セキュリティリスクの観点から内製化を選択しやすいのも理由の1つです。

アウトソーシングを選ぶべきケース

中小企業や小規模事業者の場合、アウトソーシングを選択するケースが多いです。

規模が小さい事業者は給与計算などバックオフィス業務にかける人員を確保しづらいでしょう。
また、従業員数が少ない場合は給与計算業務をアウトソーシングしてもそれほどコストがかからない点も理由に挙げられます。

コスト面を比較

給与計算の業務を内製化かアウトソーシングを判断する場合はコスト面を比較して検討すると良いでしょう。
内製化への切り替えをする時は手間やコストが発生しますが、長期的な観点で見たときにコスト削減ができるかどうかを判断します。

人員を確保できるかどうか

給与計算を内製化に切り替える際は人員を確保できるかどうか検討しましょう。

アウトソーシングに頼っていた場合は給与計算業務ができる人員およびノウハウが足りない場合があるため、給与計算のできる人員を社内で確保する必要があります。

法改正など専門知識を活用するケース

法改正など専門知識を活用する場合は専門家の知見が必要です。

法令に違反することがないよう、最新の法改正の情報を収集し、必要があれば社会保険労務士など専門家の力を活用しましょう。

給与計算を内製化する手順と方法

給与計算 内製化

給与計算を内製化するには属人化を避けるため、給与計算の業務を棚卸する仕組み作りをする必要があります。

給与計算の業務を遂行するためには「勤怠に関する情報」「社会保険料の控除額を計算する仕組み」を整理しなければなりません。
効率良く給与計算の内製化を実行するためには、クラウド型の給与計算システムが便利です。

勤怠情報を集計する仕組みを整える

給与計算業務を内製化するためには勤怠情報を集計する仕組みを整えましょう。

タイムカードや打刻システムを用意したうえで、給与計算に必要な情報を適切に集計します。

【勤怠情報の集計に必要な情報】
・時間外勤務手当
・休日勤務手当
・深夜勤務手当

社会保険料や税金の控除額を計算する仕組みを作る

企業は従業員の社会保険料や税金を計算し、給与から控除します。

給与から控除する社会保険料や税金として必要な情報は以下の通りです。

【社会保険料の控除額計算に必要な情報】
・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・介護保険料(40歳以上65歳未満の従業員のみ)
・所得税
・住民税

クラウド型の給与計算システムを活用する

クラウド型の給与計算システムを活用すれば給与計算業務をスムーズに切り替えられます。
給与計算システムでは給与計算業務に関する「勤怠情報の集計」「社会保険料の計算」「給与の支払い」「賃金台帳の管理」といった基本的な機能が搭載されています。
そのため、給与計算システムを導入することで専門的なノウハウがなくても給与計算の業務を完遂できるでしょう。

ここでは、給与計算の内製化におすすめのクラウド型給与計算システムを4つ紹介します。

給与計算システム①:freee人事労務

freee人事労務

freee人事労務は労務事務を1つにまとめ、ミスや作業時間を減らせるソフトです。

給与計算はもちろん、労務に関する事務をワンストップで完結できるためバックオフィス業務の改善に繋がります。

ソフト名freee人事労務
サービスURLhttps://www.freee.co.jp/hr/
運営会社freee株式会社
料金(はじめの1ヵ月は無料)
スタンダード:800円/月
ミニマム:400円/月
スターター:600円/月
アドバンス:1,100円/月
機能一覧給与計算の自動化
残業代の計算
社会保険料・雇用保険料の計算
所得税・住民税の計算
給与明細配布・振込を効率化
勤怠情報の入力
機能の特色特長1:給与計算を自動化
特長2:給与明細以外の必要書類も出力
特長3:webで給与の振込も可能

給与計算システム②:マネーフォワードクラウド給与

マネーフォワードクラウドは、給与計算から明細の発行まで1つのシステムで簡潔できるソフトです。

各銀行と連携もできるので、給与振込作業もスムーズになります。

また、外部のシステム「ジョブカン」や「SmartHR」などとの連携も可能です。

ソフト名マネーフォワードクラウド給与
サービスURLhttps://biz.moneyforward.com/payroll/
運営会社株式会社マネーフォワード
料金個人向け:月額800円~
法人向け(50名以下):月額2,980円~
法人向け(51名以上):要見積り
利用期間1か月無料トライアル有
機能一覧給与・賞与計算
Web給与明細
所得税計算
雇用保険料計算

給与計算システム②:ジョブカン給与計算

ジョブカン給与計算

ジョブカン給与計算は、給与計算業務を自動化し、業務コストを削減できるソフトです。

勤怠情報や社会保険料に関する情報をもとに給与計算を自動化し、給与計算にかけてきた工数を軽減できます。

ソフト名ジョブカン給与計算
サービスURLhttps://payroll.jobcan.ne.jp/
運営会社株式会社DONUTS
料金無料
(有料プランあり)
利用期間無制限
機能一覧・ジョブカンシリーズ連携
・給与計算・賞与計算
・帳票出力
・給与計算
・勤怠管理
・賞与計算
・従業員管理
・書類作成

給与計算システム④:フリーウェイ給与計算

フリーウェイ給与計算

フリーウェイ給与計算は、無料で使える給与計算ソフトです。

従業員5人までなら無期限で利用できるため、給与計算の内製化を検討する際におすすめです。

ソフト名フリーウェイ給与計算
サービスURLhttps://freeway-kyuuyo.net/
運営会社株式会社フリーウェイジャパン
料金無料
(有料プランあり)
利用期間無制限
機能一覧年末調整
所得税計算
雇用保険料計算
社会保険料計算
給与・賞与計算
登録データID数:1
登録データ数:1
登録できる従業員:5人まで

給与計算の内製化を選択肢として考えよう

給与計算 内製化

給与計算の業務を内製化することで社内の工数を最適化できるほか、セキュリティリスクを軽減できるなどのメリットがあります。
内製化する際に判断するべきポイントとしては、コスト面や給与計算の業務が確保できるかどうかチェックすると良いでしょう。

給与計算業務を内製化するにはクラウド型の給与計算ソフトがおすすめです。
給与計算の自動化など、内製化に便利な機能が搭載されています。

しかし、クラウド型給与計算ソフトも、あくまで自社で入力しなければいけないツールです。

私ども社会保険労務士法人はた楽では、「給与計算のアウトソーシング」「社内でのクラウド労務システムの導入」の両面で、全国どの都道府県でもサポートを提供しています。ぜひ、以下のページも参照ください。

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