「有期→無期」への雇用形態変更により申請できる助成金として、「キャリアアップ助成金」は比較的有名です。
例えば、有期のパートスタッフを「無期パート」に変更した場合は、キャリアアップ助成金(無期転換コース:@28.5万円)が申請できます。
このように無期雇用に転換する場合で、対象スタッフが「50歳以上」の時は、48万円の申請が可能となる助成金コースがあります。
それが、「高年齢者無期雇用転換コース」という制度です。
65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)とは?
期間の定めのある有期契約社員又はパート・アルバイト従業員を、
『期間の定めのない(無期)雇用』に転換すると、助成金が申請できます。
◆助成金の額:対象者一人当たり48万円(大企業区分の場合は38万円)
◆人数は1年間10人申請可能
「申請できる会社」の条件として、
◆就業規則に65歳までの継続雇用制度を導入、または65歳以上の定年を規定している
これは、現在の法定基準ですので、通常はすでに規定されている場合が多いと思います。まだ規定されていない場合は、この機会に規程改定したうえで取り組んでいただければ問題ありません。
◆会社都合による退職がない
対象者の「転換日の6か月前から1年を経過する日までの間」に、会社都合の対象者が発生していないことが必要です。
対象となるスタッフは?
以下のすべての条件を満たすスタッフが、申請対象となり得ます。
- 有期契約社員 又は 有期パートスタッフ(転換前は、雇用保険未加入でもOK)
- 転換する日に、「50歳以上、定年年齢未満」であること(ただし64歳以上は除く)
- 転換する日に、「入社6か月以上5年以内」であること
※助成金の名称は「65歳超雇用推進助成金」なのですが、そのうち、今回ご紹介する「高年齢者無期雇用転換コース」の対象は「50歳以上」のスタッフですので、ややこしいですがご理解ください。
キャリアアップ助成金(無期転換コース)との比較は、以下の通りです。
- 申請金額:28.5万円
- 入社6か月以上
- 年齢:定年未満(転換日時点で定年まで1年超)
- 転換日以降、3%以上の昇給が必要
- 申請金額:48万円
- 入社6か月以上5年以内
- 年齢:50歳以上定年未満
- 昇給要件は無し
大きな違いとして、高年齢者無期転換コースには昇給要件がありません。キャリアアップ助成金の場合は「3%以上の昇給」が申請要件となりますが、高年齢無期転換コースの場合は、昇給はなくても申請が可能です。
キャリアアップ助成金(無期転換コース)の詳細はこちら
最低賃金引上げに対応!パートスタッフの時給を3%アップすれば申請できる助成金とは?
また、高年齢者無期転換コースには「正社員への転換」も含みます。
通常なら、キャリアアップ助成金(正社員化コース:@57万円」を申請するほうが、受給額は高くなりますが、キャリアアップ助成金の場合は「3%の昇給要件」が必要となります。
- 正社員には転換したが、昇給はしていない
- 対象者が、50歳以上定年年齢未満である
という場合なら、「高年齢無期雇用転換コース:48万円」が申請できますので、活用の余地は多いにあると思います。
受給までの実施手順
「高年齢無期転換コース」では、キャリアアップ助成金とは別に「計画書の提出」や、「就業規則に独自規定を追記」する必要があります。
①就業規則の作成
・「高齢者の雇用継続を促進するための措置」を何らか行い、その制度を規定しておく必要があります。
・「高年齢無期雇用転換制度」を規定
↓
②就業規則の届出
※10名以下の事業所様でも労働基準監督署に届出が必要です
↓
③計画書を作成・提出
↓
④計画の認定
・計画期間内に無期雇用へ転換します。
注意 雇用日から6か月以上の勤務の有無を確認
転換後は必ず雇用保険に加入が必須です(週20時間以上の勤務)
↓
⑤支給申請
・無期雇用転換後6か月以上の勤務が必要です
・転換後6か月目の給与支払い日より2カ月間の間に申請
制度の特性からすると、50歳以上のパートスタッフを多く雇用している「介護事業所」などは、活用の余地が大きいと思われます。
特に、「昇給要件が無く、キャリアアップ助成金(無期転換コース:28.5万円)より受給額が高い」というのは大きなポイントとなります。
「正社員には転換したが、昇給はしていない」場合も対象となりますので、キャリアアップ助成金との比較でどのコースを申請するべきか、うまく組み合わせてご活用ください。
ただ、本助成金はキャリアアップ助成金よりも手続きが複雑であるのと、「この人はどちらを申請すれば?」という判断が必要となりますので、
をご活用いただければ、「申請コースのアドバイス&手続き代行」が受けられますので安心です。