「100人規模の会社」がクラウド給与/労務システムを活用する方法

クラウドシステム利用で、こんなに楽に!

「100人規模」になると、個別対応での労務管理が限界に

「30人程度の会社」と、「100人程度の会社」との労務管理において大きな違いを挙げるなら、それは「個別対応でカバーできるかどうか?」という点になります。

30人の会社を想定すると、経営者や給与担当者から全員に対して目が行き届く規模ですので、経営者や担当者が多少の手間暇をいとわないのであれば、

◆勤怠管理・給与計算上の個別判断 ~残業申請の認否や、遅刻早退時の取り扱い

◆入退社時の対応 ~何度もキャッチボールしながらの情報収集

など、良い悪いではないのですが、手作業・手計算で個別対応しても、処理や管理ができる範囲、というイメージです。

ところが、これが「100人規模」になってくると、上記のような細かい個別対応ができるほど、経営者や担当者の目が行き届かなくなりますし、また個別対応しすぎると収拾がつかなくなってしまいます。

基本的なルールと処理方法に則って、一律的に判断を進めていかないと、処理が追い付かなくなります。

特に毎月の給与計算では、「人数が多いから、締め日から払い日までの期間が長い」訳ではありませんので、通常なら10日~15日程度の決められたスパンで、勤怠その他特記事項を踏まえた計算処理をするには、「一人ずつ見ながら」というペースでやっていたのでは追い付きません。


多店舗(多拠点)や、パートアルバイトの比率が高いとさらに大変に

上記では単純に、30人⇔100人という人数比較でお伝えしましたが、それ以外にも

◆拠点(店舗)が複数に分かれている

場合は、余計にやり取りに時間がかかりますので、例えば「出勤簿をメールやFAXで送ってもらって」といった工程を踏んでいると、時間もかかりますし齟齬も発生します。

また、

◆パートアルバイトの比率が高い

場合も、労務管理上は煩雑になってきます。

まず、「給与計算」においては「時給計算」のため毎月の給与変動が生じます。

それから、入退社の頻度も高くなりがちですので、入社手続のために本人からの情報を集めたりするのも一苦労です。社員と違って常時出勤しているわけでないので、本人の出勤のタイミングを合わせて話す、というようなことにも気を使います。

人数規模が多いと、おのずと拠点やパートアルバイトの人数も多くなりますので、労務管理の手間や難易度に大きな差を生じます。

そこで、「クラウドシステムによる労務手続きの効率化」が、必須の経営課題となるのです。


クラウド化による効率化① 勤怠→給与計算のデータ連携

まず、「クラウド勤怠システム」を導入することで、それまで「紙のタイムカード」や「手書き・Excelの出勤簿」だったものを、「電子データ上で打刻ログをとる」方法に変えます。

打刻方法は、「PC打刻」「ICカード打刻」「スマホ打刻」などが選択できます。

ジョブカン勤怠管理の「PC打刻」画面

これにより、後から「手計算」で集計するなどの手間を省きます。

「クラウド型勤怠管理システム」として、すでに数多くのサービスが出そろっており、導入イニシャルコストもほとんどかかりませんし、だいたい従業員1人あたり300円程度の利用料で、すぐに導入が可能です(※打刻用PC等の準備のみ必要です)。

(参考記事)

社労士がおススメするクラウド勤怠システム

「クラウド勤怠システム」単体による導入効果をまとめると、

◆手計算/Excel計算による時間集計が不要に

◆打刻漏れチェックや打刻修正も管理画面上で可能

◆有給休暇の取得や日数管理もできるサービスが主流

◆シフトを登録することで、シフト外時間の算出が楽に

といった点が挙げられます。

ですので、使える機能を理解して使いこなす努力は必要ですが、慣れればそれまでの作業を大幅に短縮できます。

また、さらに効果を発揮するのが、

◆「給与計算システム」へのデータ連携機能

です。

勤怠データをもとに給与計算を行うわけですが、異なるシステムベンダー同士のシステム間でも、データ連携(データ流し込み)ができるようになっています。

例えば、「ジョブカン勤怠管理」→「マネーフォワード給与」のシステム間の連携を例にとると、以下のように「2クリック」でデータ連携が完了します。

給与計算システム上で、勤怠管理システムのデータを呼び込みます。

クラウド化による効率化② 入退社手続きの省力化

通常の「入社手続」というのは、

①本人から労務担当者が「本人情報・扶養家族情報」を聞き取り(紙に書いてもらう)

②聞き取った情報を、給与計算システムなどに打ち込む

③「雇用保険」「社会保険」の資格取得手続を行う

という作業を行います。

いわゆる「転記、転記、、、」の作業ですので、生産的な作業とは言いにくいところですね。。

そして、①の聞き取り作業もなかなか一苦労で、パートアルバイトが多く、入社退社の頻度も多い会社では、「入社情報の聞き取りが終わらないうちに退職する…」という事態も発生して担当者が頭を抱える、、なんてことも起こっています。

しかしご安心下さい。

「入退社手続業務」においても、現在は有用なシステムが普及しつつあり、「SmartHR」や「オフィスステーション」が有名です。

これらのシステムで画期的な点は、

①本人情報・扶養家族情報自体を、本人に画面入力してもらう

という点です。

そのために、まずは本人のメールアドレスを収集する必要がありますが、ほとんどの方が少なくてもスマホのメールアドレスは持っている時代です。

そのアドレス宛に、以下のような入力画面を送信し、入社日までに(あるいは入社当日には)入力を終えていただくことで、もれなく情報収集が可能です。

「オフィスステーション」の本人情報入力画面です。スマホでも入力していただけます。

情報が収集されれば、

②の給与計算システムへの連動(データ連携)

③雇用保険・社会保険の資格取得手続(電子申請)

までをシステム間で連動させることで、転記作業を省くことができます。

また、使いこなせるならですが、「雇用契約書(労働条件通知書)」の配布も、システム上で完了させることができます。


クラウド化による効率化③ 給与明細書の印刷や配布が不要に

あと、労務業務で手間がかかるのが、

「毎月の給与明細の封入・配布」です。

もちろん、「経営者から直接給与明細を手渡しして、、」という過程を大切にされている会社の場合は必要なのですが、

そうでなければ、わざわざ「印刷」→「封入」→「運搬・送付」→「手渡し」にかける手間と時間は大きなロスとなります。

クラウド給与システムでは、「web給与明細発行」の機能を備えていますので、指定された日に、指定された従業員個々のアドレス宛に、給与明細確定画面を送信することができます。

「紙でほしい」というご要望もときにはありますが、その場合はご自身で印刷してもらうよう依頼すれば事足ります。

従業員にとっても、「紙をなくした」ということが無くなりますのである意味安心です。

例)マネーフォワード給与の「web給与明細」


クラウド化による効率化④ 年末調整もペーパーレスに

年に1回のこととは言え、人事労務担当者にとって年末調整は一大イベントです。

しかし、本当に「祭り」にしてしまうほどの労力をかけるべき業務でしょうか?

年末調整と言えば、マル扶(令和2年度からは、マル基配所)という書面を記入してもらったり、保険料控除証明書の紙を張り付けてもらったりといった「紙作業」がとにかく大変で面倒です。

そして、それらの書面を回収して、担当者が給与システムに入力(転記)したり、不明な点や間違っている箇所があれば本人に問い合わせたりと、そこからの作業も膨大になります。

そこで、クラウド給与システムでは、「最初から本人にシステム入力をしてもらい、後からの転記入力や控除額計算などを不要にしてしまう」機能を備えています。

紙を介してリレーしていたことが、「最初からシステムでやれば1回で済む」ということです。

例)人事労務freee 年末調整

例)マネーフォワード給与 年末調整


気になる「コスト」は?

以上、使いこなすことで劇的な効率化が図れるクラウドシステムですが、「一体どれくらいの費用がかかるのか?」が気になるところです。

今回ご紹介している全てのシステムについてですが、導入時にまとまったイニシャルがかかることはなく、月額利用料にて課金される方式です。

クラウド勤怠システムにかかる費用

「出退勤打刻」「有休管理」「シフト管理」に用いるのがクラウド勤怠システムです。

通常価格はた楽による優待価格
ジョブカン勤怠管理出退勤管理 200円/人・月
+有休管理 100円/人・月
+シフト管理100円/人・月
出退勤管理 150円/人・月
+有休管理 100円/人・月
+シフト管理100円/人・月
(直接申込より50円お得です。)
KINGOFTIME300円/人・月(出退勤/有休/シフト含む)
マネーフォワード勤怠スモールビジネスプラン
3,980円/月(6人目から300円/人追加)
※給与システムも含む
人事労務freeeプロフェッショナルプラン
8,080円/月(4人目から700円/人追加)
※給与システムも含む
3,980円/月(30名まで追加費用無し)
※給与システムも含む
※料金改定や各種条件がございますので、正しい料金は必ずシステム販売元、はた楽までお問合せください。

クラウド給与システムにかかる費用

勤怠データをもとに毎月の給与計算を行ったり、給与改定や賞与支払い、扶養家族等の情報を統合した給与計算・各種届出との連動を図るためのシステムです。年末調整の処理も、システム内で進めることができます。

通常価格はた楽による優待価格
マネーフォワード給与スモールビジネスプラン
3,980円/月(6人目から300円/人追加)
※勤怠システムも含む
給与計算らくらくパック導入の場合、50名まで750円/月
人事労務freeeプロフェッショナルプラン
8,080円/月(4人目から700円/人追加)
※勤怠システムも含む
3,980円/月(30名まで追加費用無し)
※勤怠システムも含む
給与計算らくらくパック導入の場合、30名まで750円/月
※料金改定や各種条件がございますので、正しい料金は必ずシステム販売元、はた楽までお問合せください。

クラウド労務システムにかかる費用

入退社情報を収集し、各種手続き(電子申請)に連動させるためのシステムです。

通常価格はた楽による優待価格
SmartHR非公開
オフィスステーション労務100名の場合:月額20,000円給与計算らくらくパック導入の場合、
月額300円+従業員数×10円
※料金改定や各種条件がございますので、正しい料金は必ずシステム販売元、はた楽までお問合せください。

こうやって見てみると、

「それぞれの分野で、いろんなシステムがあってややこしい」

「どれか1つのシステムにまとめられないのか?」

と思われるかもしれません。

その意味では、人事労務freeeというシステムが「統合型」と言われ、「入退社→勤怠→給与→年末調整」までが同一システム内で行えるという利点があります。

一方で、それ以外のシステムのほとんどは、機能ごとに各社のシステムと連携を図ることを前提に設計されています。そのため、見た目や名称は異なってきますが、組み合わせて利用することで「それぞれのいいとこどり」ができ、案外使い勝手が良かったりもします。


どのような手順で導入を進めるか?

まずは「クラウド勤怠システム」の選定・導入から始めます。

その際、給与計算にてすでに何らかのシステム・方法(税理士・社労士への委託など)を取っておられると思いますので、その前提を変えないのであれば、現行の給与システムと「データ連携」ができる勤怠システムを選ぶのが得策です。

「クラウド労務システム」については、機能として「勤怠システム」や「給与システム」とダブるところもありますので、判断が難しい面があります。現状ですでに「入退社手続が手間・頻度ともに大変…」という会社様であれば、導入を前向きに考えられるといいでしょう。

大きな手順としてまとめると、

①それぞれのシステムを選定し、②各システムの初期設定を行い、③システム間の連携設定を行う

という流れになります。

クラウドシステム導入においては、あくまで「効率化(スピード化)」や「ペーパーレス化」を実現するものであって、現状では一足飛びに「自動化」までできるものではありません。必要な情報は、まず「入力する(入力してもらう)」というアクションが必要ですし、その情報をもとに手続きなどの「処理」を人(担当者)が行い、処理結果(計算結果)の評価も最終的には人(担当者)が行います。

そういった「人手を介しての処理や判断」と、「クラウドシステム導入による効率化」を両面でサポートするのが、私どものような社労士法人やアウトソーシング会社です。

また、クラウドシステム提供元と提携している社労士法人であれば、クラウドシステム利用料も、社労士法人での負担であったり、優待価格での利用が可能となるため、トータルで安価に導入・運用を任せることができます。

以上、それなりの人数規模がある会社様なら必ずと言っていいほどの効率化が実現できる、クラウドシステムの導入についての解説でした。ご興味あれば、はた楽が提供する「給与計算らくらくパック」もどうぞご参照ください。