◆「キャリアコンサルタント」が行う面談です
キャリアコンサルティングとは、専門資格を有した「キャリアコンサルタント」が行う面談で、面談対象者のキャリアを通じた将来目標を明確化することを目的として行う面談です。
「キャリアコンサルタント」というのは、平成28年4月より厚生労働省管轄により国家資格の扱いになっております。それ以前に関連した民間資格を取得していた人も、キャリアコンサルタントとしての資格認定を受けている場合があります。キャリアコンサルタントは登録制の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。キャリアコンサルタントでない人は「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗れません。
会社が、キャリアコンサルタントを呼んで、社員に面談を受けてもらうためには、最寄りの商工会議所から紹介を受けるのが一般的ではあります。また、民間が運営するキャリアコンサルタントの検索サイトを用いるなどの方法もあります。
◆どんな方法で行う面談か?
まず、厚生労働省が推奨する「ジョブカード」という様式シートを用い、面談を受ける本人が、事前に自身の経歴や、今後想定するキャリア目標を下書きします。そのうえで、キャリアコンサルタントと1対1で行う面談にて、キャリアコンサルタントが様々な角度から質問を投げかけ、本人が思考し、回答する過程を経て、よりキャリア目標を具体化してきます。キャリアコンサルタントは、あくまで中立な立場で、対象者の立場に立ってより良い方向性や、それを実現するための自己成長策を導き出します。
対象者本人にとっては、自分一人で考え込んでいても思考が偏ったり停滞することが往々にあります。キャリアコンサルタントのように、利害関係のない人に客観的に話を聞いてもらう、整理してもらうことで、よりクリアに目標がイメージできたり、新たな視点から解決策が見いだされたりするメリットがあります。
◆どんな助成金で対象とされるのか?
平成29年度時点で対象となる一般的な助成金として、①人材開発支援助成金(セルフキャリアドック制度導入により、1社あたり47.5万円受給)、②キャリアアップ助成金人材育成コース(有期実習型訓練)が挙げられます。
①人材開発支援助成金は「正規社員」が対象になるのに対し、②キャリアアップ助成金(有期実習型訓練)は、「非正規社員」に対して、OJTとOff-JTを組み合わせた職業訓練を実施する場合に対象となります。
いずれにせよ、キャリアコンサルティングは直属の上司が行う指導育成を補う形で、違った角度からの育成機会を提供することができます。自社の育成課題、育成対象者にあった面談機会を検討してみましょう。