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人材開発支援助成金「リスキリング支援コース」とは(正式名称:事業展開等リスキリング支援コース)
人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」は、企業の新たな挑戦を人材育成の面からサポートする国の制度です。新規事業の立ち上げやデジタル化の推進など、変化に対応できる人材を育成する際の費用負担を大幅に軽減できます。
制度の目的と対象となる事業展開(DX・GX化など)
本制度は、企業が新しい分野へ進出する際に必要となる専門的な知識や技能を、従業員に習得させることを目的としています。具体的には、新規事業の展開だけでなく、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やGX(グリーントランスフォーメーション)化に伴う訓練も対象となります。
2027年3月末(令和8年度末)までの期間限定措置
この助成金コースは、令和4年度から開始された期間限定の支援措置となっています。現在の規定では2027年3月末(令和8年度末)をもって終了する予定です。
【2026年最新】制度改正の重要なポイント

2026年(令和8年)春の制度改正により、助成金の要件や対象範囲にいくつかの重要な変更が加えられました。企業がより柔軟に制度を活用できるよう拡充された一方で、不正受給を防ぐための審査基準も厳格化されています。
「受講料等の価格設定に関する疎明書」の提出が必須に
今回の改正から、研修費用の妥当性を証明するための「受講料等の価格設定に関する疎明書」の提出が新たに義務付けられました。これは、一部の悪質な業者による不当な価格設定やキックバックなどの不正を防ぐための措置です。
設備投資加算の新設(最大150万円の上乗せ)
新たな支援策として、訓練に関連する機器やシステムを導入した場合の「設備投資加算」が新設されました。中小企業の場合、導入費用の50%(最大150万円)が助成額に上乗せされます。
「人事・人材育成計画に基づく訓練」の追加と認定支援機関の確認
従来の事業展開等に伴う訓練に加え、「企業内の人事及び人材育成に関する計画に基づく訓練」も新たに助成対象となりました。ただし、この枠組みを利用する中小企業は、事前に認定経営革新等支援機関(認定支援機関)による計画内容の確認を受ける必要があります。
eラーニング・通信制訓練の経費助成上限の見直し
オンラインを活用したeラーニングや通信制による訓練について、経費助成の上限額が一律で見直されました。中小企業の場合は訓練時間に関わらず、受講者1人あたり一律15万円が上限となります。
助成率・助成額と支給限度額の詳細
本コースは、他の助成金制度と比較しても非常に高い助成率と上限額が設定されているのが特徴です。企業の規模によって助成される割合や金額が異なるため、自社がどの区分に該当するかを事前に確認しておきましょう。
中小企業と大企業の経費助成率・賃金助成額の比較
研修にかかった費用に対する経費助成率は、中小企業が75%、大企業が60%に設定されています。また、訓練期間中の賃金助成額は、中小企業で1人1時間あたり1,000円、大企業で500円が支給されます。
| 企業規模 | 経費助成率 | 賃金助成額 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 75% | 1,000円 |
| 大企業 | 60% | 500円 |
1事業所あたりの支給限度額(最大1億円)
この助成金は、1つの事業所が1年度内に受け取れる支給限度額が非常に大きく設定されています。具体的には、1事業所あたり年間最大1億円までの助成を受けることが可能です。
助成対象となる訓練と労働者の要件
助成金を受給するためには、実施する訓練の内容や対象となる従業員が一定の条件を満たしている必要があります。要件から外れた研修を実施しても助成金は支給されないため、計画段階での慎重な確認が不可欠です。
10時間以上のOFF-JT(業務外訓練)であること
対象となる訓練は、通常の業務から離れて行われるOFF-JT(業務外訓練)でなければなりません。さらに、実訓練時間が10時間以上であることが必須条件として定められています。
雇用保険被保険者であることと労働時間管理の徹底
訓練を受講する労働者は、申請を行う事業主のもとで雇用保険の被保険者となっている必要があります。また、訓練は原則として労働時間内に実施されるため、出勤簿やタイムカードによる正確な労働時間管理が求められます。
対象外となる一般的な研修(マナー研修など)に注意
職務に直接関連しない訓練や、社会人として汎用的なスキルを身につけるための訓練は助成の対象外となります。例えば、一般的なビジネスマナー研修やモラル研修などは対象に含まれないため注意が必要です。
申請から受給までの具体的なスケジュールと流れ
助成金を確実に受給するためには、決められた期限を守って手続きを進めることが最も重要です。各ステップにおける提出書類や期限を把握し、余裕を持ったスケジュール管理を行いましょう。
社内体制の整備と「事業内職業能力開発計画」の策定
まずは社内の教育体制を整えるため、職業能力開発推進者を選任する必要があります。その上で、推進者の意見を聴きながら「事業内職業能力開発計画」を作成し、全従業員に対して周知しなければなりません。
訓練開始1か月前までの「職業訓練実施計画届」の提出
実際の訓練をスタートする前に、管轄の都道府県労働局へ「職業訓練実施計画届」を提出します。この提出期限は訓練開始日の1か月前までと厳格に定められています。
訓練の実施と適切な経費の支払い
計画届が受理された後、提出したカリキュラムに沿って対象労働者に訓練を受講させます。訓練にかかった経費は、支給申請を行う日までに事業主が全額を支払い終えている必要があります。
訓練終了後2か月以内の支給申請
すべての訓練カリキュラムが終了したら、労働局に対して助成金の支給申請を行います。申請の期限は、訓練終了日の翌日から起算して2か月以内となっています。
申請で失敗しないための注意点・落とし穴

助成金の申請手続きには、少しのミスで不支給となってしまう落とし穴がいくつも存在します。よくある失敗パターンを事前に把握し、確実な受給に向けた対策を講じておきましょう。
計画届提出前に開始した訓練は対象外
最も多い失敗例が、労働局へ計画届を提出する前に研修をスタートさせてしまうケースです。期限である訓練開始1か月前までに計画届が受理されていない場合、その訓練は全額助成対象外となります。
休日や時間外の受講は賃金助成の対象外となるリスク
所定労働時間外や休日に実施された訓練については、原則として賃金助成の対象にはなりません。ただし、あらかじめ就業規則等に基づいて休日の振替手続きを行っている場合は対象として認められます。
キックバックなど不適切な提案を行う業者への警戒
「実質無料で研修ができる」と謳い、研修費用の一部を企業に還流させる悪質なコンサルティング業者が問題となっています。このようなキックバックを利用した不正受給に関与すると、企業名が公表されるなどの重いペナルティが科されます。
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」のよくある質問
制度の活用を検討する企業から寄せられる、代表的な疑問点について解説します。自社の状況と照らし合わせながら、要件を満たしているかどうかを確認してください。
過去に別のコースで受講した訓練と同じ内容でも対象になる?
過去に別の助成金コースで実施した訓練と同じ内容であっても、対象となる労働者が異なれば申請可能です。ただし、その訓練が新たな事業展開やDX推進などの目的に合致していることが条件となります。
定額制サービス(サブスクリプション)の訓練も対象になる?
eラーニングなどの定額制サービス(サブスクリプション)を利用した訓練も、一定の要件を満たせば助成の対象となります。支給申請の時点で、対象労働者の標準学習時間の合計が10時間以上に達している必要があります。
創業したばかりの会社や個人事業主でも申請できる?
創業間もない企業や個人事業主であっても、雇用保険の適用事業所であれば助成金を申請できます。ただし、事業主自身は対象外であり、雇用保険に加入している従業員への訓練であることが必須です。
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」を活用して企業の成長を加速させよう
事業展開等リスキリング支援コースは、企業の新たな挑戦と従業員のスキルアップを同時に実現できる強力な制度です。令和8年度末までの期間限定措置であるため、早めに計画を立てて積極的に活用していきましょう。









