キャリアアップ助成金(正社員化コース)の申請方法【平成30年度改定ルール】

キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは

◆正社員とは?


「正社員」の定義については、実は明確に法律で定められているわけではありません。

助成金制度上は2つのルールがあり、

①無期雇用(期間の定めのない雇用)であること

②各社の就業規則で定められている、会社内で最も良い待遇が受けられる者(※但し取締役は除く)

というのが、正社員の定義とされます。

②については、各社の定めによるわけですが、一般的に多いのは、

「常勤で、月給で、賞与も対象となる人」

といったところでしょう。

「正社員化コース」という名称ですので、正社員ではなかった人(非正社員)が、どこかのタイミングで正社員に変わる(転換する)ことが必要です。

「非正社員」には、以下の2つのパターンがあります。

①有期雇用(期間の定めのある契約社員や、有期パート社員等)

②無期雇用(正社員ではない、無期パート社員等)

 

◆受給金額は?


以上より、正社員化に向けて以下の3パターンのルートができ、それぞれの適用で、一人当たり以下の助成金が支給されます。

①有期→正社員:一人当たり57万円(生産性要件クリアなら72万円)

②有期→無期:一人当たり28.5万円(生産性要件クリアなら36万円)

③無期→正社員:一人当たり28.5万円(生産性要件クリアなら36万円)

 

◆転換前後の雇用期間の要件


上記の申請金額は、単純に雇用形態の変更(転換)を行うだけでは申請できません。加えて、以下の両方の要件を満たす人が申請対象となります。

①転換前の「非正社員としての雇用期間が6か月以上」ある人

②「転換後6か月間の雇用継続(給与の支払)実績」がある人

つまり、入社から最低で延べ1年以上の雇用継続がされた方が申請対象となります。

 

平成30年度の改定ルールとは?

加えて、平成30年度適用分からは、以下2つの要件が追加されました。

①賃金増額要件(5%アップルール)

正規転換前の6か月間の賃金総額と比較して、転換後6か月間の賃金総額が5%以上アップしていることが必要となります。

例えば、
転換前6か月:月給20万円×6か月=120万円
転換後6か月:月給21万円×6か月=126万円

の場合は、126万円÷120万円=1.05 となり、5%アップの要件を満たしています。

また、必ずしも基本給だけで5%アップしなければいけないわけではなく、
「その他手当」「賞与」等も加算した総額で、
5%アップとなればOKです。

「賞与」での加算を想定する場合は、就業規則(または賃金規程)に「支払い時期」「支給対象者」を明記しておく必要があります。

②転換前の有期契約雇用期間(3年以下に限定)

転換前が「有期契約」である対象者の場合、
その会社に雇用されていた期間が3年以下であることが要件となります。

 

◆いつから変わるのか?


平成30年度の適用分から、ということはつまり、
「平成30年4月1日以降に正規転換」した場合に、上記の変更ルールが適用されます。

正社員化コースの申請は、「転換後6か月分の賃金支払い後」となりますので、
早ければ今年10月以降に申請する分からは新ルールとなります。

逆に、「平成30年度3月31以前の正規転換」分については、
正規転換後の賃金総額アップや、有期契約期間はまだ問われません。

具体的に、どの従業員が対象となるかによって、
申請スケジュールと要件変更への対応を見極めていく必要があります。

 

◆申請人数の拡充(15人→20人へ)


同時に、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数が、
来年度からは20人に引き上げとなることも発表されています。

※「1年度」とは、「4月1日から3月31日までの期間」です。
※「1事業所」とは、「雇用保険適用事業所」の単位です。

これにより、年度当たりの上限受給金額は、一人当たり57万円×20人=1,140万円、
生産性要件を満たす会社の場合は、一人当たり72万円×20人=1,440万円となります。

 

受給に向けた手順とポイントは?

上記の改定から垣間見えるのは、「要件のハードルは上げつつも、予算枠としては拡充」していくという方向性です。

これまで、賃金アップはしないけど、雇用形態の変更だけで申請してきた会社にとっては、申請のハードルが上がってしまいますが、

賃金アップも含めて、入社から一定のキャリアアップルールを定めて、運用できる会社にとっては、受給額として大きなメリットが生まれます。

◆受給に向けたスケジュール


手順としては、従来からと変更はありませんが、

転換前に「就業規則の制定」「キャリアアップ計画書の提出」

転換(雇用形態の変更)

転換後6か月分の給与支給日から、2か月内に申請

という流れになります。

 

◆受給に向けたポイント(留意点)


具体的には、以下の点につき社内ルールを確認しておく必要があります。

①入社時の賃金設定と、6か月目以降の雇用形態転換&昇給ルール

②就業規則の規定確認(正社員の定義と、転換規定)

③賃金規程の賞与支給規定確認(支給対象者と支給月の明記)

④給与計算ルールの適正化(5%アップ要件クリアの確認)

とりわけ、④の給与計算を適正に行うことが、申請時に「5%アップ要件」をクリアしている証明において不可欠となります。

ただ、昇給のタイミングや昇給額、賞与支給も組み合わせた要件クリアなど、計算が煩雑となってきますので、これについては当方でも、給与計算代行サービスを通じて、サポートできる体制を整えています。

給与計算代行サービス

以上、多くの会社にとって利用価値の高い「正社員化コース」の概要説明でした。「うちは受給できそうか?」かが気になる方はお問い合わせください。